有害有毒赤潮の生物学(18)現場海域における殺藻細菌と赤潮プランクトンの関係-2

摘要

さまざまな海域において，有害プランクトンの挙動を調べるとともに，MPN法を応用した技法により海水中の殺藻微生物(algicidal microorganisms)の計Rが行われ，対象プランクトンの増加に追随して殺藻微生物が増加し，ブルーム(bloom)の崩壊後も殺藻細菌(algicidal bacteria)や殺藻ウイルス(algicidal viruses)などの微生物がしばらくの間高い密度を保ち，その後減少するという事実が示された。しかしながら，この現象は傾向としては一貫性があるものの，植物プランクトンよりも殺藻微生物の濃度が低いなどの結果が得られており，殺藻微生物数が過小評価されているのではないかという指摘がなされている。したがって，現場水中の殺藻微生物数をより正確に把握することが必要とされていた。