熱化学水素製造法ISプロセス用反応機器の開発

摘要

日本原子力研究開発機構（原子力機構）では，高温ガス炉（HTGR）を用いた水素製造技術に関する研究開発を総合的に進めており，将来，我が国で唯一のmGRである高温工学試験研究炉（mTR）を用いて，熱化学法王Sプロセスを用いた核熱による水素製造の実証を行うことを目指している1）。 ISプロセスは，原料である水をヨウ素（Ⅰ）と硫黄（S）の化合物と反応させて得られるヨウ化水素酸や硫酸を熱分解することによって，水素と酸素を製造するものであり，これまで，原子力機構では，ISプロセスによる連続的な水分解による水素製造実験を行ってきた。 2004年6月には，ガラス製試験装置を用いて，水素発生量毎時31リッターで175時間にわたる連続水分解実験に成功しており2，3），今後，工業プロセスとしての技術的成立性を確認するためのパイロット試験を実施し，その後，高温ガス炉水素製造システムを実証する1000m3几規模のmTR接続試験（HTTR－ISシステム）へとスケールアップする計画である。