溶接センシング·モニタリングシステムの現状と今後の展開

摘要

近年，製造業では，国際化，グローバル化の波のなかでモノづくりの生き残りをかけたドラスティ．ツクな製造合理化が期待されており，IT（情報技術）を原動力にモノづくりの有り方，生産の形態そのものの変革がすすめられている。溶接分野においても，従来の自動化ロボット化に加え，溶接プロセスの高効率化に向けた取り組みがすすめられ，それらを推進する上でのキーテクノロジーの一つであるセンシング·モニタリング技術においても技術の進歩は目覚しく，新たな展開が期待されている。 溶接におけるセンシング技術は，アークセンサを初めとして主に単一プロセスの自動化もしくは省力化を目的に古くから適用が図られている。但し，ここ数年のIT技術の高度化と伴に，センシング·モニタリング技術も現在ではその役割が大きく様変わりしてきている。即ち，これからの溶接センシング·モニタリング技術は，従来の溶接ロボット等個別プロセスの自動化，合理化の枠を超え，製造工程もしくは製造システム全体としての効率を飛躍的に高めることが求められている。