冶金反応を利用した廃棄物の処理·再資源化技術

摘要

21 世紀の課題のIつとして環境問題があり、その中でもとりわけ廃棄物処理問題への対応が急務である。主要国の都市ごみの処理状況をFig.~(11))に示すが、我が国は、国土が狭く人口密度が高いという事情から、焼却処理比率が突出して高く、最終処分場く埋め立て処分場）への負荷は極めて低い。地球自体が限りあるものという観点から、将来的には全世界が同様の様相を呈することとなり、日本の廃棄物処理への対応はその範となる可能性が高い。しかしながら、焼却処理自体も有害重金属の溶出問題と廃棄物処分場の枯渇といった問題を抱えている。現在、我が国の都市ごみ排出量は年間5,000万トンを越え、その焼却残渣（焼却灰と飛灰）は年間600万トンに達している。一方、産業廃棄物の排出量は年間4億トンを越え、その最終処分量は年間3,000万トンに達している~(2))。