水和塩スラリーを用いた新型高効率空調システム

摘要

わが国の空調システムが近年直面する大きな問題点は湿度調節である．夏場の空調の目的は冷房と除湿であるが，冷房効率がトップランナー制度によって大きく改善されているのに射し，除湿運転においては効率の低さが際だつようになっている．これは，冷房においては単に快適と感じられる温度まで室温を下げればよく，通常は20°C程度までの冷却をすればよいのに射し，除湿の場合には空気の露点まで冷却して濁度を除く必要があるために5°C程度までの冷却が必要になるためである．一方で，不快指数の定義からわかるように人は多少暑くとも湿度が低ければ快適に感じることが知られており，除湿を効率よく行うことは空調を行う上で重要な課題となっている．