平成30年度航空機生産?輸出?受注額(改訂)見通し

摘要

（一社）日本機械工業連合会が実施する「平成30年度機械工業生産額（改訂）見通し調査」に関する調査依頼を受け、当工業会は会員企業26社の協力を得て「航空機生産.輪出?受注額見通し」の調査を実施した。24年度以降、急速に拡大し27年度に1.8兆円に達した生産額は、28年度に反転下落したが、29年度には1.7兆円台を回復し、30年度も1.7兆円を大きく上回る見通しとなることが今回の調査で確認された。その主な要因として、28年度以降、Boeing777の生産減等を背景とした民間機向け「機体部品」が減少した一方、民間機向け「エンジン本体」及び「エンジン部品」の増が挙げられる。また、24年度以降、急速に拡大した受注額は、27年度の1.9兆円弱をピークに以降下落し29年度は1.7兆円弱、30年度は1.5兆円台に減少した。その主な要因は、29年度は防衛向け「エンジン本体」及び「装備品」の減、平成30年度は防衛向け「機体本体」及び「装備品」の減、Boeing向け777用部品の減による「機体部品」の減が挙げられる。今後については、防衛向けではP-1固定翼哨戒機やC-2輸送機等の調達に伴う安定的な生産が期待される。民間向けでは日本企業が参画するボーイング777は減産に入っているが、ボ一イング787の受注は堅調に推移し、2019年以降は増産が見込まれている。ボ一イングの次期主力機777Xの初号機納入が計画どおり2020年に行われれば、それ以降777Xの生産は本格化する。こうした状況を踏まえると、今後の航空機生産は拡大基調が期待される。調査結果の概要について、以下に記す。