3部門「マルクス派最適成長論モデル」と強蓄積期間

摘要

本稿は山下·大西[ 20 0 2] で定式化され，その後，山下·大西［2003］，大西·山下［2003］,大西·藤山［2003］，大西［2005］，山下［2005］,大西·金江［2008］で発展された「マルクス派最適成長論モデル」を2種類の資本財を持つ3部門モデルに拡張することによって，資本財1と資本財2の蓄積途上で生じる様々な現象を分析する。具体的には資本財1のみで成長をしてきた経済に，資本財2という新たな資本財が登場した際にどのような事態が生じるか，特に資本財1の蓄積が相当進hだ国（［先進国」）とまだその蓄積が十分でない国（「途上国」）において同時に資本財2という新資本財が登場した際の相違の問題などである。