尾鷲地方における架線運材「ヤエン」の概念と様式

摘要

架空線を用いた木材搬出技術には林業用索道と集材機集材があり/本研究における架線運材とは前者を指す~(1)).これは/傾斜地の上下二点間に鉄線/鉄索等の架空線を張り渡し/木製鉤や鉄環/滑車等の搬器を用いて/木材を空中に吊り下げて搬出する方法で/急傾斜地においては効率的な搬出技術である.動力は主として重力であるが/場合によっては原動機を用いることもある.その様式は非常に種類が多く/「色々の立場から色々に分類され」~(2))ており/学術上の分類は一定しているとはいえないが/運材方法の基本的な差異によれば/重力単線式/交走式/連送式の3様式に大別することができる~(3)).