立公園管理ガバナンス構築に向けた市民住民活動の現状一十和田八幡平国立公園八幡平地区を事例として一

摘要

が国の国立公園のレンジャーは諸外国に比べ配置が数少なく、国立公園に関わる許認可の書類作成などの室内業務で手一杯で、現場では管理者の不在による問題（貴重な植生の踏み荒らし 盗掘、ゴミ問題など）が頻発している。こうした現状を補うべく近年、国立公園を舞台に種々の市民活動が展開するようになっている。また我が国の国立公園は保x区を設置し、土地利用や開発行為を規制する地域制公園であり、米国の営造物公園がスタンダードとする考え方からは不完全な制度と見なされる場合もあるが、地域制であるがゆえに立ち現れる多様なステークホルダーと主体を取り込hだ新たな国立公園管理ガバナンス構築の舞台となりうる可能性も秘めている。本報告では、こうした市民活動の実態と、その市民の意見が国立公園管理に関わるガバナンス形成にどのように結びっいているか考察を行うt)のである。調査は2002年から2005年にかけて行い、方法としては聞き取り 参与観察 アンケートを併用した。本報告で用いる市町村名 機関名などは当時のものである。