白亜系炭素同位体層序の確立を目指して－陸成層と海成層の対比－

摘要

Ⅰ．はじめに白亜紀は古くから温室時代として知られ，近年の酸素同位体比の研究から「涼しい赤道のパラドックス」も解決され，少なくとも白亜紀中期（Mid－Cretaceous；Aptian期からConiacian期を指す：ReymentandBengtson，1986）には赤道から極地方まで，極めて温暖な時代であったことがわかってきた。 同時に，白亜紀中期の間にも気候，海水準などは大きな変動があったこともわかってきた。中でも近年の研究の焦点のひとつは海洋鈍酸素事変（Oceanic Anoxic Events）である。