惑星気象学の近年の展開

摘要

近年，惑星気象学発展の気運が高まっている　 惑星気象学は新しい分野なので，関心や人気が単調に増大しているように思われるが，決してそうではない．1960～70年代はアメリカ·旧ソ連による惑星探査が行われ，それまで全く知られていなかった知見をもたらした．同時に，理論的，数値実験的な研究がアメリカを中心に活発に試みられ，日本でも森山　 茂氏が火屋に関して先駆的な研究を始めていた．ところが松田が金屋のスーパ、－·ローテーションについて研究をまとめた1980年頃からアメリカにおいて惑星気象の研究熱が急速に冷めてしまった．大気科学の主要な研究テーマとして気候問題や環境問題がクローズアップされ，実際的重要性を持たない惑星気象から関心（予算？ ）が引いてしまったことが理由であろう．