集合住宅における同一住戸居室問の音響性能床先行工法における住戸内の床振動伝搬の実態と対策検討例

摘要

集合住宅の同住戸内の遮音性能のうら）空気伝搬音に起因するものに関しては，壁先行工法と床先行工法とでは遜色ない性能が得られることが確認されている。 しかし，住戸内には，洗濯機など家庭用設備機器に代表されるように，二重床上に設置される床振動を伴う騒音源もある.ここでは，床先行工法を採用した場合の設備機器や歩行時の同住戸内の隣接居室への振動伝搬の実態と対策方法について，住戸当該部分に相当するモックアップを作成し行った実験結果を示す。 コインやスプーンのようなものを落下させた場合の固体音や洗濯機などの設備機器の稼動時の振動などについては，床先行工法を採用した場合でも，下地を縁切りすることで壁先行工法と同程度の影響にすることが可能である。 しかし，歩行時の揺れについては，単なる縁切りだけでは，壁先行と同等まで低減することはできないことが確認できた。