M. Berger: A Panoramic View of Riemannian Geometry, Spainger, 2006年, xxiii + 824ページ

摘要

D. Hilbertは幾何学基礎給の仕事と共に，幾何学全般を直観的な立場から説明した講義に基づく名著値観幾何学を著した（[6]）．これは70年以上前のことだが，現代では多くの優れた，テーマを絞った専門書，また複数の著者を動員した総合報告やハンドブック形式の啓物はあるが，一人の著者がHilbertのように幾何学全般にわたる普遍的な眺望を待った優れた書物を書くことは困難になっている，例外の1つは距離（と測度）の幾何に関するM. Gromovの書物であろう（[4]）。 さて，本音はMarcel Berger が76才のときに出版されたリーマン幾何全般を見渡した特色ある書物であるや[4]と違うのは，（コンパクト）リーマン多様体に絞って非常に豊富な話題を扱っていることと，題名の"Panoramic View"が示す記述のスタイルである．