メキシコ東部における地すべり·土砂災害警戒避難基準雨量の検討事例

摘要

日本では毎年のように，貴重な人命·資産·資源が土砂災害により失われているが，2005年は，大西洋－カリブ海地域でも強力なハリケーンが数多く発生し，アメリカのニューオリンズに甚大な被害をもたらしたハリケーン·カトリーナ（Katrina）に代表される記録的な災害を生じる年となった。ここでは，そのようなハリケーンの一つであるハリケーン·エミリー（Emily）により土砂災害が生じたメキシコ北東部のヌエボレオン州（NuevoLeon）来シエラマドレ山地（Sirra Madre Oriental）現地において，土砂災害時を含む期間の降雨と土塊水分変化の特性を観測するとともに，同時期の九州北部での観測·解析結果との比較を基に崩壊?土砂流出の瞥戒避難基準雨量を検討したので報告する。