高温型燃料電池内での高電圧誘起に関する考察

摘要

SOFCを始めとする高温作動燃料電池では、耐熱材料であるニッケル金属もしくはその合金が導体や構造材料として多用されている。これら材料は磁性体であることから、電気的に急峻な変化は回路上で高電圧を誘起し、絶縁劣化や破壊等のトラブルを生じる可能性がある。そこで高温中での電磁現象の詳細を明らかにするため、数種類の耐熱金属材科の磁気に関する温度特性を調べるとともに、高温中でそれら線材の交流インピーダンスを測定した。この結果、突然の回路遮断や絶縁異常による急激な電流変化は高電圧を誘起することが確認された。機器設計においては十分な絶縁破壊強度を確保することと、万一の絶縁トラブルでも影響を波及させないための回路構成を考慮する必要があることを示した。