東京都苦飾区における沖積層の堆積相と堆積物物性：奥東京湾口の砂嘴堆積物の時空間分布

摘要

下総創也と接する東京低地の東縁には．標高-40～OmにN値20～50の砂体が分布している．この砂体は中·上部更新続の下総層群や沖積層の中間砂層として解釈されてきた．しかし，その詳細な分布や成因については不明な広が多い，東京都葛飾区の新宿地区と南砂地区から採取した2本のボーリングコア堆僧物の岩相と生物化石相の詳細な観察と放射性炭素年代測定の結果，この砂体は下総台地の南棟の市川砂州から北西方向に伸長する砂嘴堆積物であることが明らかになった．砂酢ま，完新世中期以降，奥東京湾口の千葉県市川市から葛飾区高砂地区にかけて幅5kmにわたって発達した．砂噛堆積物の本体は貝化石が点在する砂層から構成されるのに対し，その縁辺は閂推磯した貝化石や中礫を多く含む砂泥互層から構成される．