医療保健分野におけるVR技術による挑戦

摘要

近年，Virtual Reality（仮想現実；VR）技術の小型化·低価格化が進み，広く一般に浸透しつつある．古くより医用画像を用いた手術支援などこれらの技術の医療応用が行われてきたが，さまざまな広がりを見せている．たとえば，VR技術のリハビリテーション分野での活用の広がりを示す一例として，アメリカ医学図書館の文献サービスにおいて，“Rehabilitation”と“Virtual Reality”の両方のキーワードを含む文献件数を年別に集計すると，2009年から急激に増加していることがわかる（図1）．本稿では，筆者らが独自に開発·展開しているリハビリ支援サービスReha VRの構想から実現までの過程を通して，スタートアップ企業の視点で，関連技術の可能性について論じたい．