拡散との出会い

摘要

私は暗和35年に大学に入学しました。 入学当初,靴の底が減るほど毎日のように安保反対デモがあり，大衆運動の盛り上がった時代でした。 理工系倍増の始まりで，東北大学ではこの年に金属材料工学科が設置されました。 1年生が終わる頃,学科説明会に楓爽と現れた門間改三先生の記に魅せられて金属材料工学科に入りました．卒業研究は米国から着任した平野賢一先生の研究室に入れていただきました．当時の学部は3月に新学期が始まりましたので，4年生は13カ月ありました．平野先生は東工大の高木豊教授の研究室でアル錐ミニウム合金の時効析出過程，特にGPゾーンの研究で成果を上げられた後，M汀で拡散の研究をされていました．人工放射性同位元素の使用が漸く可能になった時代でした．