水素と燃料電池でエネルギーを生み出す連載2：水素を使い家庭用·定置式燃料電池で発電する

摘要

我が国での家庭電化製品の普及によりエネルギー消費量が年々増大している．そこで各家庭での省エネルギーの必要性はもとより，CO{sub}2排出量の少ないエネルギー機器の導入が要望され，現在，家庭用及び定置式固体高分子形燃料電池コージェネレーションシステムの実用化が進められている．定置式燃料電池が普及すると，これまでのような大規模集中型発電（火力発電や水力発電）による電力の供給から脱却し，小規模分散型発電，オンサイト発電（電力の需要があるところで行われる発電）が可能となる．家庭用·定置式燃料電池による発電システムは，環境に優しく，騒音の心配や，大規模な施設の必要もなく，大都市部及び住宅地での使用に適している．小出力でも発電効率が高く，電力需要に応じて種々な対応ができるため，家庭用の小型の発電から，地域住宅，オフィスビル，ホテル，病院，工場などで使用する大型のものまで可能となる．コージェネレーションシステムとは，発電に伴って発生した排熱を回収して，冷暖房や給湯などに利用する電気と熱の同時供給システムである．定置式固体高分子形燃料電池コージェネレーションシステムは，改質器，燃料電池スタック，インバータ（直流交流変換装置），水タンクとイオン交換樹脂純水装置からなる水処理装置，蒸気発生装置，貯湯槽とバックアップ給湯器を一体化した排熱回収装置及び周辺機器により構成されている．