ナノ粒子分散型高強度材料や鉄基ナノ結晶軟磁性材料は,急冷し作製した金属ガラスに熱処理を施し,過冷却融体状態で均一核生成,ナノ結晶化させて作製する.したがって,出発物質である金属ガラスの構造の詳細を明らかにすることは,ナノ結晶化機構を理解し,ナノ組織制御を行うための構造情報を提供する.このような長範囲での周期構造を持たない金属ガラスの構造を定量的に記述する唯一の方法は動径分布関数(以下,RDF (Radial Distribution Function)と呼ぶ)である.ピークの位置および面積がそれぞれ原子間距離と配位数に相当する最も一般的なRDFは,2種類以上の元素を含む試料の場合,次式で表される.
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