電子レンジ加熱の特徴を知る

摘要

電子レンジの出現は，私たちの食生活に大きな影響を与えている．歴史はそれほど古いものではなく，アメリカで1945年にその機能が食品の加熱に使われることが分かり，食品の加熱機器として日本で普及し始めたのは，1970年代であり，当時は大変高価な調理機器であった．それまでの調理加熱は，どこかに温度の高い熱源があり，外部からの熱を食品に伝える方法であるが，電子レンジは食品自身が発熱するものであり，当時の人々にとっては大変な驚きであった．今では，家庭における普及率は100%近くなっており，入手しやすい価格になり，ごく一般的な調理機器として使われている．加工食品の普及や少人数家庭の増加，働く女性の増加など社会構造の変化などと相まって，電子レンジは，食生活を支える加工食品の温め道具として重宝されている．しかし，これは温めるための道具ではなく，上手に使えば，調理機器として便利に使用できるものでもある．