中低温乾留チャーを用いた炭材内装酸化鉄ペレットの作製と還元挙動の検討

摘要

乾留最高温度T_(C,max)＝823，873，973，1073，1273Kで部分乾留した石炭チャーと酸化鉄を混合して炭材内装酸化鉄ペレットを件製し，その還元挙動を検討した結果，以下の結論を得た。 石炭乾留実験においてT_(C,max)が低いほど，残留揮発分が多く，また，残留揮発分に占める水素の割合が高かった。 二段階乾留（T_[C,max(1）]＝873K，T_[C,max(2）＝1273K）を行うと，二段階目の乾留では一段階目の乾留最高温度T_[C,max(1）＝873K以降から揮発分が発生することが明らかとなった。 また，最終の乾留最高温度を固定した場合，昇温経路によらずガス発生量はほぼ一定であった。 室温からの昇温還元実験（還元最高温度T_(R,max)＝1273K）において，チャー作製時のT_(C,max）が低いほど，すなわち残留揮発分を多く含む試料ほど，その還元促進効果が大きかった。T_(C,max）＝823Kの部分乾留石炭チャーを含む炭村内装酸化鉄ペレットを還元した場合，1173～1273Kの温度領域において還元反応は大幅に進行し，T_[R,max）＝1273Kでは酸化鉄はほぼFeまで還元された。 おわりにニューキャッスルブレンド炭を提供いただいた新日本製織（株）に厚く御礼を申し上げる。 なお，本研究に対して，（社）日本鉄鋼協会鉄鋼研究振興助成の補助を受けた。 ここに記して謝意を表す。