プラントメンテナンスの「要」点とコスト管理：設備保全とコスト管理，ITソリューションの最新動向

摘要

設備保全とコスト管理に関わる一般的な課題をあげ，それに対して効果のあるITソリューションの動向を紹介してきた。 その中で，日本の装置産業は外注保全の占める割合が高いため，そのコストを最適化するためにはいくつか重点項目があることを強調した。 一方，その項目を実行するためには，保全管理業務を支援するITソリューション側にも必要な条件があることを説明し，いくつか具体的な機能を示してきた。 ポイントを絞ると，1.自社·外注先双方を含む保全業務サイクル全体を通じた効率化と生産性の向上を図ること；2.改善活動を行うために十分なレベルの保全コスト情報を把握すること；3.「なぜ」「その時期に」「その方法で」保全を行うのかという理由を明快にすることである。 今後日本の製造業の現場が，機械的な「コスト削減」ではなく，現場の知恵と創造力，改革に挑戦する心意気に裏打ちされた「コストの最適化」へと進むことを大いに願っている。