進むプラスチックリサイクル技術：スチームリフォーミングによる廃プラスチックからの水素の製造

摘要

現在，日本のプラスチック原料は主にナフサであり，プラスチック製品の生産に向けられる量は，年間に使用される原油と輸入ナフサを合計した量の約6％を占めている。 一方2003年におけるプラスチックの総生産量は1,398万tであるが，この年の廃プラスチックの総排出量は1,001万tであり，大半が，生産されるとすぐに廃棄されていることになる。 廃プラステックの約39％は，廃棄物発電や熱利用などのサーマルリサイクルとして利用されているが，マテリアルリサイクルされるものは16％，油化，ガス化，高炉原料といったケミカルリサイクルに至ってはわずか3％にすぎず，未だ多くが単純焼却か埋め立てられているのが現状である。 プラスチックは生産に要するエネルギーも少なく，安価で，それゆえ今後も使用量は増加すると思われるが，プラスチックの持つエネルギーは大きいので，より効率の高いリサイクルやエネルギー回収方法の開発が望ましい。 ここでは廃プラステックからの高効率なエネルギー回収方法の1つとして，スチームリフォーミングによる水素製造の研究について紹介する。