デリケートな粒子の分離－ヘルメチック遠心分離機

摘要

微細な固形分を分離して清澄な液を得ることを目的とした遠心沈降機のうち，円筒型が10,000G以上の遠心力を有するのに対し，ディスク型は5,000～10,000Gが主流である。 沈降分離能力を大きくするのに必要なのは，第一に遠心力だが，第二に，沈降距離を短く，沈降面積を大きくするという考えがあり，これは重力沈降における傾斜板付クラリファイヤに見ることができる。 この考えを遠心分離機に応用したのがディスク型（図1）である。 0.4 mm間隔で200枚以上のディスクを積み重ねることで粒子は比較的小さい遠心力でも瞬時に沈降し，広い面積で大量の処理が可能になった。 こうしたディスク型遠心分離機の特性は∑値として知られる分離沈降面積に凝縮されており，回転数，ディスク枚数，ディスク大きさを表すファクターにより導かれる数値は遠心沈降能力の指標として利用されている。