粉粒体単位操作ガイダンス〔5〕〈総論〉粉粒体の空気輸送の基礎

摘要

輸送装置の空間的配置に関して，機械式輸送ではその輸送経路上に粉粒体を駆動するための機械的機構が必要となるのに対して，空気輸送では，基本的には，配管のみで輸送経路を構成することができる。この特徴から，空気輸送装置は，液体や気体の配管と同様にコンパクトに配置することができるという利点をもつ。また，輸送される粉粒体は管路により周囲雰囲気から完全に遮断されるため，粉じhの飛散や異物混入を避けることができる，不活性ガスを搬送気体とすることにより粉塵爆発を防止できる，などの特長をもつ。ただし，空気輸送は機械式輸送に比べて所用動力が大きくなるという欠点を有する。本稿では，粉粒体の空気輸送の基礎として，空気輸送システムの構成と水平管内の流動様式，低濃度高速輸送の付加圧力損失の取扱いの基礎について述べる。