高分子凝集剤瞬間連続溶解装置RCSS装置と超低含水率型遠心脱水機による汚泥脱水設備の最適化

摘要

下水処理や廃水処理から発生する脱水汚泥は，近年の地球温暖化に対する関心の高まりや処分にかかるコスト削減のために，埋め立て，焼却，セメント資源化など後段のプロセスにかかわらず，その減量化が望まれている。脱水汚泥の減量化には，前段の水処理プロセスから発生する汚泥量（固形物量）を減らす方法と脱水汚泥の含水率を低減する方法の二通りがあるが，弊社では，より確実かつ最小限の設備投資で達成が可能となる，脱水汚泥の含水率を低減する方法に着目してきた。安価なコストで脱水汚泥の含水率低減を達成するためには，脱水助剤である粉体高分子凝集剤を効果的に利用できること，脱水効率·効果の高い脱水機を使用することがポイントとなる。弊社では前者については，凝集剤を極短時間で完全溶解でき，未溶解凝集剤が残存することによる無駄の排除と，溶解後の時間経過に伴う溶解液の劣化防止を同時に達成できる，高分子凝集剤瞬間連続溶解装置（以下，「RCSS装置」と示す），後者に対しては，従来の高効率型遠心脱水機と比較し8ポイント以上の低含水率化が達成できる超低含水率型遠心脱水機（以下，「SDRインパクト」と示す）を商品化している。本稿では，脱水設備の最適化で，低CO_2社会の実現や設備のランニングコスト削減に寄与できるRCSS装置とSDRインパクトの原理や特徴を示し，それぞれの性能例を紹介する。