各種産業に見る最新乾燥技術の実際：最近の乾燥技術の動向

摘要

数ある「単位操作」の中で，操作対象が流体である蒸留，ガス吸収，吸着などの「流体系単位操作」に比べると，固体材料を処理対象とする「乾燥操作」では，取り扱う固体材料の諸物性の多様性から，装置内の材料ハンドリングがきわめて重要となるため，乾燥機の種類が格段に多いのが大きな特徴である。さて「乾燥技術」には二つの側面がある。一つは乾燥装置·乾燥機の装置開発，装置設計を包含する「装置技術」であり，もう一つの側面は与えられた乾燥装置·乾燥機を目的に沿うように如何に上手に操作·運転するかという「操作技術」である。 したがって単純にいえば，前者は乾燥機メーカーの立場から見た側面であり，後者は乾燥機ユーザーの立場から見た側面である。今回の特集では乾燥機メーカーの立場からの話が主体であるので，ここでは「操作技術」，すなわち乾燥機ユーザーの立場からみた最近の乾燥技術動向を探ってみることにする。