未来型省エネ技術“ヒートポンフ”可能性：CO{sub}2冷媒ヒートポンプ給湯機の開発と今後のヒートポンプ技術の展望

摘要

2001年5月，自然冷媒であるCO{sub}2を利用した家庭用ヒートポンプ給湯階（愛称：エコキュート）が世界で初めてわが国で商品化された。 開発機は，従来の燃焼式給湯器と比べて約3割の省エネルギーが可能であり，家庭用最終エネルギー消費の約3割を占める給湯分野の省エネを実現する切り札として，国の補助金制度や各メーカーの市場参入により，急速に普及が進展している。 商品化初年度は6千台の出荷であったが，今年度は12万台の出荷が見込まれている。 本稿では，CO{sub}2によるヒートポンプサイクルの高効率化，エコキュートを実現した技術，さらには，最近の開発動向と課題を紹介するとともに，ヒートポンプに関する今後の技術を展望してみたい。