省エネルギー技術の新たな開発への期待

摘要

現代社会の発展とともに，われわれの消費するエネルギー量も急激に増大している。 地球全体としての限りある資源を有効に活用し，安全で快適な環境を維持しながら持続的な社会の発展を続けるには，エネルギーの有効利用への絶えざる追求が不可欠である。 資源の乏しいわが国では，生活の合理化や生産性の向上の視点からエネルギーの使用効率を高める努力が常に払われてきたが，70年代の石油危機以来，省エネルギーへの対策が一層進展し，世界に誇りうる成果を挙げてきた。しかし，近年の地球温暖化に対する国際的な関心の高まりから，社会活動に伴う温室効果ガスの発生量を1990年のレベルに安定化させようという国際的な合意が作られ，京都議定書において2010年までに各国の発生量の満たすべき目標値が設定された。 わが国は1990年レベルよりさらに6％削減することを約束しているが，エネルギー起源の二酸化炭素排出量については，2010年において1990年レベルに削減することを目標として対策が講じられてきた。