ドロップワイズテクノロジーによる熱伝達率の向上

摘要

蒸気が凝縮する熱交換器の金属表面に撥水性をもたせ，熱抵抗となる水膜を安定的に除去することで，熱伝達率を向上させる業界初の技術である。蒸気の凝縮形態を膜状から滴状に撥水させる（ドロップワイズコンデンセーション）ことで，総括伝熱係数30%（最大）の向上を実現した。熱交換器を稼働したまま，生産量や生産品賃の向上に加え，蒸気原単位の改善が可能である。撥水機能を有する薬品は，初期処理などの煩雑な手順なく，対象熱交換器直前の蒸気ラインに連続添加するだけで効果を発現するため，生産設備を稼働させたまま本技術の適用が可能となっている。また，既存の水処理と相互干渉もないため，多くの産業分野で使用が可能である。