ガイド波による探傷II－ガイド波用電磁超音波センサによるワイヤ,パイプ,薄板の非破壊評価

摘要

ガイド波は伝搬に伴う波面の広がりが小さく，体積波と比較して減衰が小さいためロングレンジ探傷などに利用される。用いるガイド波のモードによっては音速が周波数に依存する分散性を示し，波形がくずれるため欠陥検出能の向上のためには分散補正が必要であるが，逆に速度分散が板厚にも依存することを利用して板厚変化の検出も可能である。材料の非破壊評価においてガイド波用電磁超音波センサを用いると，非接触でガイド波の送受信が可能であるためセンサの設置や移動が容易である。ガイド波の利用によりロングレンジで検査が可能であることとあわせて検査時間の短縮に有効であると期待される。ところが電磁超音波センサは圧電センサと比較して変換効率が低く，送受信条件の最適化，センサの多段化などにより信号強度を向上させる必要がある。 ここでは著者らが行ってきたガイド波用電磁超音波センサによる非破壊材料評価について紹介する。