高温構造設計基準におけるクリープ疲労寿命評価法の課題と現状

摘要

高温構造設計基準におけるクリープ疲労損傷評価の課題を整理し，それらの課題に対する米国のASME Section III Subsection NH，日本のBDS／DDS，英国のR5，仏国のRCC-MRの考え方を紹介し，比較を行った。 米国のASME規格が各国の基準のベースとなっているが，各国において独自の考え方が取人れられ，それぞれが特徴を有した体系となっている。今後は，これら各国の基準の特徴を踏まえ，合理的でかつ国際的に整合性の取れた設計手法を開発して行く必要があるものと考えられる。 日本高圧力技術協会の専門委員会として活動しているETD委員会（委員長：渡部修-筑波大教授，幹事：寺前哲夫一束京電力，島川貴司-川崎重工業）では，高精度で簡易的なクリープ疲労寿命評価法の開発が進められており，名国の基準に最新知見を反映した高温構造設計基準が提案されるものと期待される。