核燃料加工の業況

摘要

長期間停止していた東京電力の福島第一発電所1号機が7月に運転を再開できたことは、原子力発電所の定期検査での一連の不祥事に対するけじめがついたと云える象徴である。同月末に原子力委貞会は新計画策定会議を開催し、国の原子力政策の基本的な考え方を示す原子力政策大綱の原案を取り纏めた。 従来は原子力開発利用長期計画と呼称していたものを名称変更したものであり、原子力に関する施策の基本的な考え方を明らかにすると共に、原子力行政に関わりの深い地方公共団体、事業者および原子力政策を進める上で相互理解が必要な国民各層に対する期待を示すものになっている。 内容的には①中長期的な原子力発電の発電シェアー30～40％程度かそれ以上、②核燃料サイクル路線の堅持、③高速増殖炉の実用化となっており、総合エネ庁の原子力部会でこの基本方針を実現するための具体的な政策が今後1年間をかけて議論されることになる。