HD DVD基盤要素技術の現状と動向

摘要

光ディスクは，音楽CD（コンパクトディスク）によるLPレコードの完全置換えにより，デジタル技術の恩恵を直接的に世界中の人々にもたらした。 その後のパソコン（PC）の普及にもデータCDは寄与した。 そして1996年のDVD（デジタル多用途ディスク）プレーヤの登場により本格的なデジタル映像を家庭で気軽に楽しめるようになった。 最近は，HDD（磁気ディスク装置）とDVDとのハイブリッド録画機の普及により，ユーザーの使い勝手が飛躍的に南上し，大容量のHDDに記録した映像を，DVDに保存することがごく普通に行わ在るようになった。 電子情報技術産業協会によると，2003年のDVDばデオの国内出荷台数が前年の1.5倍となる520万4,000台を記録し,テープを使用するVTRの295万2,000台（前年比37.6％減）を抜いたとのことであり，かつての音楽CDのように映像HDD/DVDが，少なくとも民生用途では，テープを置き換えると考えられる。 このような急速な家庭で扱う映像情報の拡大や，高精細（HD）映像の要求，大画面フラットデイノスプレイの急速な普及，地上デジタル放送への期待などからも，DVDの大容量化への要求が高まってきている。