CMOS技術で実現したミリ波レーダ用ワンチップ送受信IC

摘要

近年，77GHz帯のミリ波信号を用いた高直進性で高分解能なレーダ技術が注目されている。従来のレーダ送受信器は化合物半導体を用いたモジュールが一般的で，民生用としてはコストが課題であったが，低コスト化かつ高集積化可能なCMOS（相補型金属酸化膜半導体）技術は，微細化によりその動作が非常に高速化し，ミリ波の信号を取り扱えるようになってきている。東芝は，77GHz帯ミリ波レーダ用として周波数変調連続波（FMCW）方式を採用したワンチップ送受信ICを90nm CMOS 技術を用いて開発し，CMOS ICとして世界で初めて77GHz帯の高精度FMCW信号の発生と距離測定（測距）に成功した。