画像解像度が向上した非冷却赤外線イメージセンサ

摘要

赤外線イメージセンサは，人肌から自然放射される赤外線を検知して温度分布を画像化することで，暗闇の中でも人物を検出でき，車載用の前方歩行者検知装置や高機能人感センサ，プラント監視カメラなどに応用できる。しかし，本格的に普及させるためには，更に画像解像度を上げる必要があった。東芝は，320×240画素(QVGA: Quarter Video Graphics Array)を持ち，ノイズ等価温度差(NETD: Noise Equivalent Temperature Difference) 0.25Kを達成した非冷却赤外線イメージセンサを開発した。MEMS (Micro-Electro-Mechanical System)プロセスの改善で画素を微細化し，画素ピッチを従来品の32μmから22μmに縮小することで従来と同じチップサイズと感度を保ったまま，多画素化を実現した。また，読出し回路のノイズ低減により，温度分解能の目安となるNETDを向上させた。