非小細胞肺癌患者のゲフィチニブによる肝機能障害に対するプロへパール~r錠の有効性

摘要

非小細胞肺癌の治療薬であるゲフイチニブ(gefitinib)の副作用として約11%に肝機能障害が認めら れるが，その対処法は定まっていない.この肝機能障害に対し，慢性肝疾患治療薬である肝水解物複合製剤 (プロへパール~R錠）を使用し，その有用性を検討した.2007年11月から2010年5月の間に，ゲフイチ二 ブ投与中にGrade1以上の肝機能障害(ALT 45 U/L以上，AST41U/L以上）を認め，プロへパール~R錠を 投与された患者10名を対象とし，その効果を後ろ向きに検討した.プロへパール~R錠投与後，8例でALT, 7例でASTの低下を認め，そのうち3例ではゲフイチニブの減量?休薬を行わずに改善した.また他の3 例ではゲフイチニブの減量?休薬も行ったが，プロへパール~R錠の併用にて，肝機能の再悪化なくゲフイチ ニブの投与量を戻すことができた.以上よりプロへパール~R錠がゲフィチニブによる肝機能障害に有効であ る可能性がある.