外国人の紀行記などに現れたタイとミャンマーの紙造りについて～貝多羅葉、コイ紙、サー紙及び少数民族の紙造り～

摘要

筆者は、旧通商産業省四国工業共同技術研究所に在職中にタイ、マレーシアと紙パルプ技術の研究をしたことが縁となり、平成9 （1997）年から同13 （2001）年にわたり、JICA専門家としてカセサート大学の農業農芸品改良研究所（KAPIと略称） で、林木の育て方としての 「アグロフォレストリーの研究」に従事した。その時、対象木の一つにカジノキを選hだ。同国の手漉き紙の原料として大量に使われていたし、我が国の和紙業界も同国からの輸入原料に依存していたからである。