無機系基盤システム研究分野

摘要

本研究分野では，セラミックスの階層構造制御による新機能創製について研究活動を行っている。高温の水やアルコール等を反応溶媒とするソルポサーマル反射こよる高結晶化度·高分散性セラミックス微結晶やセラミックス薄膜の合成とその工学的応用に関する研究を行っている。 ①セリア微結晶の紫外線遮蔽剤としての利用を目的として，ソルボサーマル反応によるセリアの階層構造制御について検討した。 これまでのセリアナノ粒子へのCa~(2+)の固溶およびシリカ被覆による有機物の酸化に対する触媒活性の低減に加えて，フラックス法により合成した紫外線遮蔽能を有する雲母状チタン酸（K_(0.80)Ti_(1.73)Li_(0.27)O_4）との複合化により，紫外線遮蔽効果を低下させることなく，肌上に塗布したときの感触を向上させることに成功した。 また，酸化チタンや酸化亜鉛は強い光触媒活性を有し，光照射により一重項酸素を生成し,DNAを損傷するが，セリアは光触媒活性が低くDNA損傷も起こさず，人体に対する安全性に優れていることを明らかにした。