シンスプリント好発部位の深部痛覚閥値と深部温度に及ぼす鍼刺激の影響

摘要

【目的】シンスプリントに対する鍼治療の基礎的研究として、どのような鍼刺激がシンスプリント好発部位である脛骨骨膜部の痛覚聞値と深部温度を上昇させるのかを検討した。 【方法】被験者は、健常な学生ボランティア12名（年齢22±2歳）とした。 深部痛覚計にて脛骨骨膜の痛覚聞値を連続測定し、介入させる刺激の種類（置鍼刺激·雀啄刺激·無刺激）による変化を記録した。 同時に痛覚闇値測定部位付近の深部温度を深部温度計にて測定した。 【結果】対照群と比較して置鍼群の痛覚闇値は、有意（p＜0．05）な上昇を認め、雀啄群は、上昇傾向を示した。 深部温度については、どの時点においても各群間で有意な差は認められなかった。 【考察と結語】シンスプリントの療病に対する鍼刺激では、雀啄術よりは置鍼手技が適していることが示唆された。 一方、骨膜部の深部温度の変化は小さかった。以上のことから療病管理として置鍼手技による鍼治療の有用性が示唆さ－れたが、局所循環への効果については明らかではなかった。