鍼灸所見の臨床的意義と客観化六部定位の脈診について脈診の臨床的意義と習得法

摘要

脈診の習得を困難にしている原因の一つに、学習者が脈診に確証が持てないことが挙げられる。 蒲蚰埭维F代人が、東洋医学の思想そのものに懐疑的な目を向けるのはしかたがないことかもしれない。なぜなら、現時点の科学では解明することが出来ないからである。 しかし、脈診理論は東洋の賢人達によって、気の遠くなるほど膨大な経験の蓄積の中から幾多の修正が加えられ、構築されたものであり、この二千年もの間、厳しい淘汰に耐え、綿々と伝わってきた。その事実だけでも充分信頼に足るものである。 脈診法の正当性を、現代科学的手法によって、客観的に証明していかねばならないのは当然ではあるが、鍼灸臨床家にとって最大の関心事は、その是非を検討することではなく、脈診法をいかに効率的に身に付け、臨床に生かすかということにある。