強磁性強誘電体はどこに

摘要

1964年に東大物性研究所秋本研究室と東大理学部飯田研究室の共同研究でペロブスカイト型の酸化物BiMnO{sub}3とBiCrO{sub}3が合成され，特に前者は磁気キュリー塩度t{sub}(CM)=105Kの強磁性体であることが明らかにされた［1］。 これは，超高圧合成によって，固体物理の視点から興味ある物質が得られることを実例で示した最初期の研究の一つである。 ここでは，特に強磁性強誘電体の探索という視点から研究の流れを追い，現状を通観してみよう。 なお，著者に特に関心があり，かつ別刷などの資料か手元にあることがらだけを取り上げる。 色めがねと言わないまでも偏光めがねを通してみた報告で，重要な成果を落としている可能性がある。どうかお許し下さい。