トップの視点--NECトーキン（株）代表取締役会長羽田祐一/現場重視の「身体知経営」が未来を拓く

摘要

羽田氏（以下略）：「企業は人なり」といわれるように，企業にとって人は大きな財産です。 人の潜在能力をいかにして引き出し，向上させるかが企業発展のキーポイントであると考え，人間のもつ頭の知識ばかりでなく，身体から湧き出る知恵（身体知）を最大限活かし，経営に適応する意味で「身体知経営」と名づけました。バブル経済崩壊後，日本経済は長期にわたり低迷をつづけましたが，ここにきてデジタル関連市場，IT関連市場を中心に大きく伸長しております。 ここで大切なことは，このデジタル関連市場，IT関連市場を生み出したのは企業の社員，つまり"人"であるということです。 企業の企は"人が去れば止まる"と書き，"人を止める企て"が企業であるともいわれています。 人間は皆，長所も欠点もあると同時に，それぞれに潜在（得意）能力をもっています。 社員1人ひとりの潜在能力を引き出し"業績の優れたチームをつくりあげること"が，リーダーの大きな仕事で，経営力の基本要素であります。