FRP構成素材入門 第2章 構成素材と種類 - 有機繊維（PBO繊維）-

摘要

PBO（Polyかphenylen－2，6，benzobisoxazole，図1）は1970年代に米国空軍の研究者によってp-アラミド繊維を越える高耐熱性，高弾性率を持つ高分子材料として開発されたPBZ（polybenzazole）系ポリマーの一つである．PBZの研究開発はStanford Research Institute（SRI）に引き継がれ，その後，DOW Chemical社がPBOのモノマーであるジアミノレゾルシノール（DAR）の高収率合成方法（図2）を開発し，PBOの実用化の検討を進めた．東洋紡は1991年からDOW Chemical社とPBOの繊維化の共同開発を開始した．1995年のDOW Chemical社の開発撤退を受け，東洋紡はPBO繊維に関する全特許をDOW Chemical社から引き継いだ．その後，東洋紡は単独でPBO繊維の生産化技術と用途開発を継続し，1998年に商業生産を開始した．現在，ザイロン~Rの商品名で全世界に販売している.