チタン20年間の海洋暴露結果報告--海洋構造物の耐久性向上技術に関する共同研究から--

摘要

1960年代後半のわが国においては，全国的な高速道路網などの整備計画が海上や海浜地域など厳しい腐食環境内に予定され建造物の防食技術の確立が求められていた。 そこで，㈱土木研究所では，1982年から「防食等による海洋構造物の耐久性向上技術」について研究することとし，駿河湾大井川沖に海洋暴露試験施設を設置した。 研究は，官民合同で行われた。 各研究項目の担当は，現細目本鉄鋼連盟（以下，鉄鋼連盟）が飛沫部·干満部および海中部の「鋼構造物の防食技術について」を，（社）プレストレスト·コンクリート建設業協会が「コンクリート構造物の耐食技術」を，（財）土木研究センターが「海上大気部の長期防錆型塗装技術および海中部の電気防食設計技術」について，それぞれが中心となり実施した。 本研究は，世界的にもまれな20年間という長期間の実環境での研究となった。 なお，（社）日本チタン協会（以下，チタン協会）は，鉄鋼連盟の研究組織に参加する形式で研究に携わった。