スポット溶接部静的強度の支配因子とそれにもとづく溶接部強度特性の優れた高強度鋼板メニューの展開

摘要

自動車車体骨格を想定し，引張剪断強度（TSS）。 十字引張強度（CTS）の鋼板強度，板厚，鋼成分とめっき有無による変化を検討した。 ボタン抜け破断ではTSS，CTSとも鋼板強度，板厚，ナゲット径に比例するように記述できるが，その定数は一定ではない。 TSSに対する比例定数は鋼板が厚いと低下するが，鋼板強度やめっき有無の影響ば小さい。 CTSに対する比例定数は板厚に依存しないが，冷間圧延鋼板より合金化亜鉛めっき（GA）鋼板で大きく，鋼板強度が増すと低下する。 またC量が多いとTSS，CTSとも低下し，Si量が多いとTSSは低下するが，CTSは増加する。 この知見をもとに溶接部強度特性の優れた高強度鋼板を980MPa級まで展開しているが，厚手高強度のGA鋼板では散りが生じると特にCTSが大きく低下する。