研究発表--菱刈鉱山における保安活動について（リスク低減対策事例とリスク抽出の取組み紹介）

摘要

菱刈鉱山は鹿児島県北部の伊佐市菱刈に位置し（図－1）、年間19万tの金銀鉱を採掘している。鉱床は地表下100mの東西約3km、南北約1kmの範囲に脈状に既存し（図－2）、坑内開発にはトラックレスマイニング方式を採用している。鉱石は山元で選別した後、一部外販される他は錦江湾の加治木港で専用船に積み込まれ、住友金属鉱山株式会社の主力製錬所である愛媛県新居浜市の東予工場に運ばれ精錬される。1983年1月に坑道による探鉱開発に着手し、1985年7月の出鉱開始以来173．2トン（2009年3月末現在）の金を産出した。