異種元素を固溶させた六方晶希土類－鉄複合酸化物による炭化水素燃焼特性

摘要

希土類（RE）複合酸イヒ物はセラミックス材料としてさまざまな分野への応用が期待されており、ベロブスカイト型の結晶構造をもつ斜方晶LaFe_(0.57)Co_(0.38)Pd_(0.05)O_3は自動車排気ガス処理触媒として高い活性と耐熱性を有していることが報告されている1）。希土類-鉄複合酸化物には安定相である斜方晶REFeO_3（o－REFeO_3）と準安定相である六方晶REFeO_3（h－REFeO_3）が存在する。o－REFeO_3のFe~(3＋)イオンは六配位構造であるのに対し、h-REFeO_3のFe~(3+)イオンは三方両錘の五配位構造という特異な配位構造を有していることが特徴的である。当研究室では、酢酸イッテルビウムと鉄アセチルアセトナートの量論混合物を1，4－ブタンジオール中でソルポサーマル反応させると、h-YbFeO_3が比較的低温で得られることをすでに報告している2）。さらに、h-YbFeO_3はo－YbFeO_3に比べ高いメタン燃焼活性を示すことを報告している。