SGを含む2つのLED用緑色蛍光体の開発

摘要

白色LED（特に照明用途）の色変換材料に好適な2種類の緑色蛍光体について紹介した。これらはいずれもScを母体に含み、発光中心はCe~（3+）である。Ce~（3+）付活蛍光体は、紫外から青色の発光を示すことが多いが、ここで紹介した蛍光体は、Ce~（3+）付活では珍しい緑色発光を示す。また、長波長の励起光を吸収する蛍光体としては、硫化物や窒化物［14］が多数提案されているが、今回紹介した蛍光体は青色光で励起できる酸化物蛍光体の一例である。これらの蛍光体は、照明用白色LED用蛍光体として三菱化学（株）から販売されており、照明器具への採用が始まっている。最近、今回紹介した蛍光体と同様に母体結晶の成分としてScを含む蛍光体として、紫外発光蛍光休Y（Al,Sc）_3（BO_3）_4：Gd~(3+)が報告された［15］。このようにScを一般の希土類元素と同列に扱うのではなく、特徴的なサイズを持つ3価イオンとして注目することで、さらに応用例が増えるのではないかと期待される。